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ニュースレター

不正競争防止法上のアイディア奪取行為禁止制度の強化

2021.08.10

アイディア奪取を不正競争行為の一つの類型に追加した2018年の「不正競争防止および営業秘密保護に関する法律’(以下、「不正競争防止法」)の改正後、初めて、アイディア奪取行為に対する禁止命令および損害賠償の責任を認めた大法院判決が言い渡され、2021年4月21日からは故意によるアイディア奪取行為に対する懲罰的損害賠償制度が施行されるなど、アイディア奪取行為禁止制度が強化されている。

2018年の不正競争防止法改正で新設された第2条第1号ヌ目は取引交渉または、取引過程で提供された他人の技術上・営業上、有用なアイディアが入った情報をその提供目的に反して使用、または、第三者に提供して使用させる行為を不正競争行為の類型のうちの一つと規定している。ところが、本規定は下請け関係で発生する技術奪取行為を規制する下請け法と共に、アイディアを奪取された被害企業に民事的・刑事的・行政的救済手段を提供しているが、民事的救済において認められる損害賠償額が被害企業が実際に被った損害額に制限されアイディア・技術奪取に対する抑制効果が充分でないという指摘があった。

このような指摘により2021年4月21日に施行された改正法は、アイディア奪取行為による損害の3倍まで賠償請求を可能にした懲罰的損害賠償制度の導入と共に行政庁の是正勧告権限を拡大し、また、違反企業が是正勧告を履行しなかった場合には、行政庁が違反行為の内容および是正勧告事実などを公表することができるようにした。 

大法院もまた、最近広告サービス提供が完了していない状態で該当マーケティング代行業務契約が終結した事案で、サービス過程でサービス提供者によって作られたネーミングと広告コンテを広告主が製作費の支払いなく無断で使用することはアイディア奪取行為に該当すると判断し、アイディア奪取に対する差止請求および損害賠償請求を認容した最初の判決を言渡した(大法院2020.7.23.言渡し2020ダ220607判決)。

このような環境の変化によりアイディアを奪われた被害企業としてはより厚い保護を受けるようになり、反対に侵害行為をした企業としては違反行為の内容および是正勧告事実の公表などにより、企業に対する信用低下のリスクと共に懲罰的損害賠償のリスクも抱えることになった。

従って、アイディアを出したり他人のアイディアを取り扱う企業ではそれぞれ今回の改正法をアイディア保護強化のためにどのように活用するのか、会社内関連のコンプライアンスがしっかりと遵守されているのか、より高い関心を寄せる必要がある。特に、法改正前に取得したアイディアであるとしても法改正後の不当な使用に対しては改正法が適用されるというのが大法院の判例であるため、他の企業のアイディアで過去に取得したものなどに対しても取得原因と経過を確認する必要がある。
 

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