日本国知的財産保護協会「A.I.P.P.I.(月報)」誌に弊所メンバーの寄稿文が掲載されました。
「A.I.P.P.I.(月報)」誌Vol.68 No.2
《論説》
「韓国でのAI関連発明の動向と紛争関連の主な争点」
(要旨)
英国の天才数学者アラン・チューリングが、コンピュータの知能を判定するチューリングテストを提案し、1956年のダートマス会議で人工知能(AI)という用語が登場して以来、長期にわたり、AI は産業界の期待を受けては挫折するという繰り返しであった。近年、第4 次産業革命時代が到来し、ビッグデータ技術を通じて膨大な量の学習データの提供がより一層可能かつ容易になるとともに、機械学習に必要なコンピューティング性能が飛躍的に発達したことにより、多様な産業分野においてAIの適用が急速に拡大している。
一方、特許の観点からもAIと関連した発明に関する論議が活発になされているところ、韓国特許庁では「AI関連発明」をコンピュータプログラム関連発明の一つとした上で、その発明の実施に機械学習基盤のAI 技術を必要とする発明であると定義している。ただし、AI関連の発明は学習データ及び学習済みモデル等を利用する点と同様に伝統的なコンピュータプログラム関連発明にない固有な特徴を有しているので、その権利の確保と行使においては従来とは異なる戦略が必要になる。本稿では、韓国特許庁の審査実務を中心にAI 関連発明の権利確保において考慮すべき事項と韓国法院の判例を通した特許侵害関連の争点について詳察する。