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ニュースレター

[韓国特許審判院25周年の総括]審判事件の90%が審判院の段階で終了に

2023.05.17

韓国の特許審判院は、特許、商標、デザイン等の知的財産権出願に関する審査官の行政処分の適否や、登録された知的財産権の効力の存否等に係る紛争を解決するための審判を行う特別行政審判機関として、1998年3月1日に特許庁審判所と抗告審判所を統合してスタートした。

今年で開院25周年を迎える特許審判院は、25年間('98年~'22年)に処理した知的財産権紛争に関する審判を分析した結果を公表した。それによると、特許審判院が下した結論が特許法院でも維持される割合が年を追うにつれ高まっているなど、審判の正確性や迅速性が増してきたことが統計から読み取れる。

具体的には、特許法院に提訴可能な特許審判院の審決(145,879件)のうち、実際に特許法院に提訴されたのは23,442件で提訴率の平均は16.1%を記録した。これを開院後5年ごとに見た場合、23.9%(’98~’02) → 19.1%(’03~’07) → 16.7%(’08~’12) → 14.0%(’13~’17) → 10.7%(’18~’22)で、提訴率の減少が続いている。

一方、特許法院に提訴された23,442件のうち75.4%に当たる17,680件は、特許審判院が下した結論が特許法院でも維持され、特許審判の正確性は高い水準にある。

 

<25年間の審判統計(‘98.3.1 ~ ’22.12.31)>

 

 

 

こうした中で特許審判院は、昨年から法律・技術的争点が複雑で社会的影響が大きい事件につき、審判事件の特性に合わせて審判経験が豊富な局長級審判長、専攻分野の審判官等で合議体を構成する「特別審判部」を運営して専門担当とさせることで、審理の忠実性を一層高め正確な審決を目指すこととしている。続く今年は、両当事者のある審判事件において口頭審理を原則的に全面開催とし、審理過程において証人尋問、現場検証等の証拠調査を積極的に実施することにより審判の正確性をより高めていく計画である。

以上のように、韓国における特許審判院での審判手続の重要性は、近年さらに増している。たとえば韓国で知的財産権の紛争手続きにまで発展する場合には、相当数が特許審判院で始まり、法院で始まった紛争であっても無効審判または権利範囲確認審判等の関連事件が同時に特許審判院で争われることも多い。こうしたケースで紛争当事者は、近年、特許審判院が積極的な審判運営政策を試みていることや、特許審判院での結論は特許法院でも維持される可能性が高いこと等を考慮し、できるだけ特許審判院の段階で有利な結論を導き出すことができるように、その審理過程において積極的な対応をする必要があると言えるであろう。

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