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特許法院、「スイートサファイア」はぶどうの一般的な品種名称とは言えない

2023.11.14

高い糖度と細長いなすのような形状で有名なぶどうのブランド「スイートサファイア(SWEET SAPPHIRE)」、「ブラックサファイア(BLACK SAPPHIRE)」がぶどうの一般的品種名称とは見ることができないという趣旨の特許法院の判決が下された。

[IFG社のSWEET SAPPHIRE]

 

 

 


アメリカ所在の育種企業の「International Fruit Genetics LLC、(以下、IFG社))は、2019年2月頃、商品類区分第31類の「新鮮ぶどう(新鮮な果実)」等について「SWEET SAPPHIRE」、「BLACK SAPPHIRE」、(以下、IFG社出願商標)を出願した。ところが、特許庁はIFG社の出願商標が一般需要者や取引者にぶどうの一品種として認識されており、指定商品の出所表示として機能しにくく、公益上、ある一人に独占させることは適切ではないとのことで、商標法第33条第1項第7号などに該当するという理由で拒絶決定を下し、IFG社は拒絶決定不服審判を請求したが、特許審判院も同様の趣旨で棄却審決を下した。
IFG社は再度、これを不服として特許法院に審決取消訴訟を提起したが、特許法院はIFG社出願商標がぶどうの品種を指すものとして使用され認識されていると見るための証拠が不足しているという理由で特許審判院の審決は取り消されるべきであるとの判決を下し、該当判決は特許庁の上告にもかかわらず大法院の審理不続行棄却判決により確定した。


具体的に、特許法院は①「スイートサファイア」、「ブラックサファイア」という名前は、「なすぶどう」、「ムーンドロップ」、「魔女ぶどう」などの様々な名前と共に混用されていることが分かるだけで、他にぶどうの品種名称として直接指摘する内容は見当たらず、②「Sweet Sapphire」が商品出所表示として使用されているとみられる事例が発見されたこと、③IFG社が2013年頃から当該ぶどうの品種名称を別途に「IFG Six」とし、特許権や品種保護権を登録しておいた点に照らし、 IFG社出願商標の標章が指定商品である「新鮮ぶどう(新鮮な果実)」等の品種を指すものとして使用される、または、認識されているとは言うことができないと判断した。


本件のカギは客観的な証拠資料を通じて該当ぶどう製品の品種名称(Cultivar Name)が「IFG Six」であり、その商標名(Trademark)がIFG社の出願商標であることを効果的に証明しなければならない部分であった。これに対し、弊所はIFG社出願商標がIFG Six品種ぶどうの出所表示として使われていることを示すIFG社ウェブページ画面、ぶどう品種名と商標が明確に分離されて記載されている植物品種保護権登録の内訳および取引契約書、「SWEET SAPPHIRE」に「®」、「TM」が一緒に記載されて取引されているという事実を示すインターネット検索結果画面などを特許法院に証拠資料として提出し、特許法院はこれを認容してIFG社に有利な判決を下した。


IFG社は自主的に品種を開発したぶどう製品を全世界的に販売し、IFG社の出願商標に対する高い名声と信用を得たが、出願商標が品種名と判断された場合は何人でも使用できるようになり、自分の商標を保護されない危機にあった。本件は果物の品種名称ブランドの効果的な保護方案を提示した判決として意義がある。 
 

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