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特許法・実用新案法施行規則の改正:意見書提出期間を4ヵ月とし、分割出願の審査猶予も可能に

2025.08.14

意見書提出期間として基本的に4ヵ月を付与

2025年7月11日に公布された特許法・実用新案法施行規則の改正により、審査官の拒絶理由通知に対して出願人が意見書及び補正書を提出して対応できる期間(以下、「意見書提出期間」)が、従来の2ヵ月から4ヵ月へと変更された。

特許法は、特許出願に拒絶理由がある場合、審査官はこれを出願人に通知し、期間を定めて意見書を提出できる機会を与えなければならないと規定する(特許法第63条第1項)。その「期間」については、下位法令の特許法施行規則に、審査官が2ヵ月以内で定めると規定している(特許法施行規則第16条第1項)ところ、今回の施行規則の改正により「2ヵ月以内」が「4ヵ月以内」に変更された。これまで審査官は意見提出通知時に、特別な事情がない殆どの場合において意見書提出期間を(審査官が定めることができる最大期間の)2ヵ月に定めてきたところ、今後は、意見提出通知における意見書提出期間を基本的に4ヵ月に定めるものと予想される。これにより審査官が定めた意見書提出期間を、出願人が1ヵ月単位又はそれを超える単位で延長申請できる制度には変更はない。

特許庁は、本改正の背景について、韓国における意見書提出期間が海外の主要国(日本や米国では3ヵ月、中国やEPOでは4ヵ月)に比べて短いことを考慮し、より出願人に便宜を図った特許行政サービスを提供するためになされたものと説明している。

本改正の効力は、2025年7月11日から直ちに発効する。したがって、2025年7月11日から発行される全ての意見提出通知書において、意見書提出期間が4ヵ月に定められると見込まれる。本改正は、特許出願と実用新案出願の両方に適用される。なお、拒絶決定通知時の対応期間(3ヵ月)は従来と同じである。

本改正によって、審査段階における出願人の便宜性が向上する一方、逆に出願人は早期権利化を望む場合もあることに加え、長い意見書提出期間は登録遅延に伴う存続期間延長登録の期間算定時に出願人の帰責期間として扱われるため、必要により出願人は意見書早期提出及び指定期間短縮申請等による柔軟な対応も考慮すべきである。

 

出願人の申請により分割出願の審査遅延が可能に

従来、特許出願人が特許出願日から6ヵ月以内に特許可否決定(特許決定又は拒絶決定を意味し、意見提出通知書ではない)に関する保留申請書を提出すると、審査官は、特許出願日から12ヵ月となる時点まで特許可否決定を保留することができるとともに(特許法施行規則第40条の2)、特許出願人は、審査請求日から24ヵ月が経過した日以降、出願日から5年(実用新案は3年)を超えない期間内で、審査を受けようとする特定の時点を指定して、審査猶予を申請することができた(特許法施行規則第40条の3)。ただし分割出願は、上記のような特許可否決定の保留申請、及び審査猶予申請の対象における例外として規定されていた(特許法施行規則第40条の2第1号、第40条の3第1号)。今回の施行規則の改正により、分割出願についても特許可否決定の保留申請や審査猶予申請が可能となる。

特許庁は、本改正の背景について、2025年1月1日の特許・実用新案審査事務取扱規程の改正により、分割出願の審査順位を「原出願の審査請求日」基準から「分割出願の審査請求日」基準へと変更することで分割出願の審査が遅く行われるようにしているところ、この変更に合わせ、より遅い分割出願の審査を希望する出願人の要求を満たすための制度変更であると説明している。

本改正の効力も、2025年7月11日から直ちに発効している。したがって、2025年7月11日からの分割出願について特許可否決定の保留申請や審査猶予申請が可能である。本改正は、特許出願と実用新案出願の両方に適用される。

本改正により出願人は、市場の状況等に応じて遅い権利化を図るのに有利になるといえるが、逆に早期権利化を図りたい場合には優先審査申請等の対応が必要とある。

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