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ニュースレター

韓国特許出願への「超高速審査」制度の導入と日本企業への影響

2026.05.27

韓国知識財産処(旧韓国特許庁)の「超高速審査」制度が、輸出企業にとどまらず、人工知能(AI)や先端バイオ分野の創業初期企業まで対象を大幅に拡大し、本格的に運用を開始した。 本記事は、2025年5月16日のニュースレターで紹介した優先審査拡大のニュースに続き、最近実施された創業初期企業向けの超高速審査専用トラックを含む超高速審査制度を紹介する。

 

1. 超高速審査制度と処理期間:2か月以内に特許が可能に

 

韓国知識財産処は、韓国特許・実用新案登録出願について超高速審査の申請を行うと、超高速審査決定日から1か月以内に審査結果を通知し、最終結果までは平均2か月かかるものと想定している。これにより、従来の優先審査よりもさらに迅速な超高速審査を実施し、韓国企業が適時に特許権を取得して投資の誘致や市場の先取りができるよう支援するものとしている。

 

なお、超高速審査の申請費用は、既存の優先審査と同様、特許20万ウォン、実用新案10万ウォンである。

 

2. 超高速審査の主な類型と要件

 

超高速審査の申請ができる類型として、2025年10月15日から実施されている輸出関連トラックと先端技術トラックと、2026年2月23日に新設された創業初期企業向けトラックがある。

・ 輸出促進トラック(2025年10月15日実施):輸出実績のある企業、又は中小ベンチャー企業部の海外進出支援事業に参与した企業の輸出に関する出願の場合
・ 先端技術トラック(2025年10月15日実施):半導体、二次電池、バイオ等の先端技術分野で、かつ当該出願が外国出願の基礎となる条約優先権の基礎出願である場合。ただし、国内で生産(準備)中の企業、又は国家研究開発課題を実施中の企業であることが条件となる
・ 創業初期企業トラック(2026年2月23日実施):創業初期企業、ベンチャー企業、 INNOBIZ企業が出願中の人工知能(AI)及び先端バイオ分野の技術を対象とする。 

注:INNOBIZとは、Innovation(イノベーション)とBusiness(企業)の合成語で、競争優位を土台として競争力を確保した技術イノベーション型中小企業のこと。 

 

3. 日本企業への影響 

 

超高速審査制度にはいくつかの類型があるが、いずれも韓国国内で創業した企業や生産基盤を有する企業、あるいは韓国での出願を基に海外へ進出しようとする企業を主な対象としている。したがって、日本企業等の外国出願人の場合は、外国での出願を優先権の基礎として韓国で出願するケースがほとんどで、韓国国内での生産要件を満たすことも難しく、本制度の直接的な活用には制約があると予想される。

一方、韓国企業はAI、バイオ、半導体等の核心技術分野の特許出願で本制度を活用した場合には、わずか2か月で特許権を取得する事例も想定される。したがって、韓国の競合他社の出願動向をモニタリングする際には、超高速審査の申請の可能性を考慮し、それに合わせた情報提供や先行技術調査等の防御戦略を構築することも必要となる。

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